ストレスチェック義務のある事業場とその対象者について見ていきましょう。
ストレスチェックのある事業場
2015年より50人以上の従業員のいる事業場で、ストレスチェック制度が義務化されました。50人未満の事業場に関しては、努力義務となっています。企業は、年に1回以上、労働者への自記式の調査票を配布する、オンラインなどにより、労働者の自己のストレスチェックを行わなければなりません。
これに加え、政府は近年の労災の件数や傾向から労働災害防止計画を発表します。2023年には第14次労働災害防止計画が公表され、その中の重点項目、メンタルヘルス対策がありますが、集団分析を行うことが推奨されています。
自社部門が、社内や同業種と比較し、どのような項目でストレスが溜まっているのかを確認、対策をとることで、メンタル不調の一次予防に活用してみましょう。
ストレスチェックの対象者
正規雇用の場合はストレスチェックの対象者です。その他の雇用形態での対象の有無を見ていきましょう。
非正規雇用(パート・アルバイト)
1週間の所定労働時間数の4分の3以上、もしくは1年以上使用されることが予定される場合はストレスチェックの対象となります。
① 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。
② その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。なお、1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満である短時間労働者であっても、上記の①の要件に該当し、1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の概ね2分の1以上である者に対しては、ストレスチェックを実施することが望ましいこと。
労働安全衛生法の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令等の施行について(心理的な負担の程度を把握するための検査等関係)より
長期出張者・海外長期出張者
長期出張者には別途受検機会を設ける必要があります。オンラインによるストレスチェックの普及も進んでいるため、そのような従業員が多い場合は、オンラインストレスチェックを活用しましょう。海外長期出張者も対象になります。正、海外現地法人に雇用されている労働者には適用されません。
派遣労働者
派遣元事業者が実施することとされています。
外国人労働者
技能実習生を含む外国人労働者は、ストレスチェックの対象になります。
外国語版のストレスチェックは厚労省HPよりダウンロードできます。(ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等 厚生労働省)
休職・育時休業中
休職や育児休業中の労働者は、ストレスチェックを実施しなくても問題なしとされています。
最後に
ストレスチェックは個人のストレスの再確認、そして企業とその部門という集団において労働者のストレスを確認するためのツールです。主観的なストレスの把握も大切ですが、年度での比較やまた集団におけるストレスの蓄積を確認し、職場環境の改善に役立てましょう。
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